今日もお疲れ様です、風花猫です。📖
一昔前(私が子供の頃)は、もう少し秋の訪れが明確で、季節の移ろいが穏やかに感じられたような気がするのですが…。
最近は気候の急な変化や波の大きさから体調が落ち着かない事も増え、中々大変な時代になったなぁ…と思います…。
(あくまで一個人の感覚です…💦)
陰ながらではありますが、当ブログにご訪問頂いております皆様のご健康をお祈り致します…🍀✨
さて、今回は表題の文学作品の感想につきまして。
恥ずかしながら、この歳になってようやく読了致しました…。
そうです、太宰治『人間失格』。太宰治の文学作品と言えば、先に触れたのは『走れメロス』でしたが、こちらは国語の教科書で少し読んだぐらいでして…。
当時の自分は「友人愛の大切さを伝えたいのかな…」といった感想ぐらいしか浮かばず、ただただ恥ずかしい限りです…。
他に教科書で触れた作品で強く印象に残ったのは、山田詠美さんの『ひよこの眼』。他には『えいっ(三木卓)』『ちいちゃんのかげおくり(あまんきみこ)』『ごんぎつね(新美南吉)』等々。(敬称略)
流石に全ては思い出せないものの、いくつかのフレーズや場面が思い浮かぶような作品は、確かにあったのです。
話を戻しまして。ここからは文字通り「独断と偏見」の感想を書かせて頂きたく。
読み終えて最初に浮かんだ感想は、ああ、一昔前にも、生きづらさを感じていた人は確かに居たのだろうな、という感慨でした。
(私の未熟な考察や見解・評価が誤っている可能性が大です…😿)
いや、本当に感想を言葉にするのは難しいです…。
有り体に言えばしみじみと、誰にも言えない感覚を抱える辛さを感じるような。社会(それを構成する人々)に対して感じる「違和感(異質感)」を、自分だけがずっと感じ続けている感覚。
つまり自分には、人間の営みというものが未だに何もわかっていない、という事になりそうです。自分の幸福の観念と、世のすべての人たちの幸福の観念とが、まるで食いちがっているような不安、自分はその不安のために夜々、転輾(てんてん)し、呻吟し、発狂しかけた事さえあります。(太宰治『人間失格』より)
主人公である大庭葉蔵は、子供の頃からこうした視点で考察を巡らせ、実に鋭く人間観察をしています。
しかし、こんなのは、ほんのささやかな一例に過ぎません。互いにあざむき合って、しかもいずれも不思議に何の傷もつかず、あざむき合っている事にさえ気がついていないみたいな、実にあざやかな、それこそ清く明るくほがらかな不信の例が、人間の生活に充満しているように思われます。
その一方で、自分が周囲と関わる為の手段として「道化を演じる」術を得ており、みんなを笑わせて人気を集めたり、表面上は大きな問題を起こさないようにする事もこなしていました。
後に様々な女性達と関わるようになると、本人にそのつもりが無くても言い寄られたり、女性とのトラブルを起こす事もあったり。
同時に、お酒が心を紛らわすかの如く、飲み歩くようになったり。
彼の人生の重要な局面には、お酒や女性が関わっている描写もありました。
自分に、世渡りの才能!しかし、自分のように人間をおそれ、避け、ごまかしているのは、れいの俗諺(ぞくげん)の「さわらぬ神にたたりなし」とかいう冷悧狡猾の処世訓を遵奉しているのと、同じ形だ、という事になるのでしょうか。ああ、人間は、お互い何も相手をわからない、まるっきり間違って見ていながら、無二の親友のつもりでいて、一生、それに気附かず、相手が死ねば、泣いて弔辞なんかを読んでいるのではないでしょうか。
紆余曲折あり、物語の最終局面では、酒とモルヒネに溺れた主人公が脳病院(精神科病院の俗称で、文中の表現です)に入院する事になりますが、そこではこのような事を思い浮かべています。
自分の不幸は、拒否の能力の無い者の不幸でした。すすめられて拒否すると、相手の心にも自分の心にも、永遠に修繕し得ない白々しいひび割れが出来るような恐怖におびやかされているのでした。
人間の営みが分からず、人との関わりを恐れ、自らの心の内を晒す事はとても出来ずに苦しみ続ける。
大雑把な言い方で語弊はありますが、これは言い換えれば「社会に馴染めず苦しんでいる」状態であり、またその状態を和らげる為の正しい手段を知らないとも言えるように思えるのです。
ただ一方で、彼の苦しみは特殊な色彩を帯びているような。
なんと言いますか、人間不信の根底に宿るものが、およそ常人の計り知れない部分にあるような…。
少なくとも、大庭葉蔵(=太宰治)という人物が、人生の中で様々に思い悩み、人々との出会いや出来事を経ながら葛藤し、次第に廃人同様に追い込まれていった経緯には、悲哀のみならず、ハッと気付かされる事があったと感じたのが、私の感想です。
生きていく事は平坦ではない。平和で穏やかな日々が続く事は大変幸せな事であり、本人が望んでも得られない事もある。
人の苦しみは、生きづらさは、一体何処から生じるのだろうか…。
そんな事を考えたりした次第でした。
拙い感想で申し訳ありません😞最後に、記事執筆にあたり参考にさせて頂いた【光村図書】さんの『教科書クロニクル』という検索システムが素晴らしかった為、リンクを貼らせて頂きます!⬇️
【教科書クロニクル│みつむら web magazine│光村図書出版】
https://www.mitsumura-tosho.co.jp/webmaga/chronicle
生年月日を入力しますと、入力した方の小学校・中学校当時に使用されていた教科書の掲載内容(作品)が分かります!
(使用されていた教科書が光村図書出版の場合)
「そういえば、こんな作品載ってたなぁ」としみじみしました…。
プチ思い出タイムスリップにいかがでしょうか…?📚️💡
それでは、読書の秋が深まりますように…📕🍂
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